Marie’s Story

Directed by Jean-Pierre Ameris (2014)      French Film

Marie is born deaf and blind, and unable to communicate with the world around her. Sister Marguerite sees in Marie a unique potential and she works to show Marie how to communicate.  Based on the true event in late19th century France.

邦題:奇跡のひと マリーとマルグリット

幼い時に三重苦になったヘレン・ケラーの“奇跡の人”は米国の話だが、この映画の主人公はフランスの田舎に住む生まれながらの三重苦の少女マリー。マリーは14歳の時に聾唖者が寮生活をしている聖母学院に連れてこられるが、そこでは皆が手話で会話をしていたのでマリーは、入寮を断られた。野生の動物のごとくに逃げ惑い、木に登ってしまったマリーに、聖母学院で働く修道女マルグレットが手を差し伸べる。その手にそっと触るマリーの手。その時、マルグレットは人間の魂にふれた気がした。そして自らマリーの教育担当者となることを願い出た。それからの二人がたどるコミュニケーション成立までの道程は、異文化の狭間に立たされた人への励ましにもなるだろう。病気で亡くなったマルグレットの意志を継いで、マリーは1921年に36歳で亡くなるまでその聖母学院で働いた。魂が揺さぶられる、感動映画である。

The way back

Directed by Peter Weir (2010)

Incredible survival story of prisoners who escaped from Siberian gulag in 1941, and traveled over 4,000 miles on foot to get their freedom. Crossing the continent under different climate, unknown geographical feature and unfamiliar racial culture, and  finally 3 men could success to cross over the Himalayas to the green highland in India.

邦題:ウェイバック 脱出6500km

第二次世界大戦当時、シベリアの強制収容所から逃げ出した男達六人と、途中から加わった集団農場から逃げ出した一人の少女によるサバイバル映画ではあるが、そのスケールが凄い。シベリア、モンゴル、中国、チベット、インドへと徒歩で進むのだが厳寒のシベリア、灼熱の砂漠、雪に覆われたヒマラヤ越えと、大自然の過酷さに挑戦する人間の限界を試されているようだ。途中で、一人は祖国に留まり、少女と一人の男性が息を引き取り、一人はチベットに残り、結局三人の男性がインドの緑に覆われた茶畑にたどり着く。導入部で妻の告白ゆえにシベリアに送られたポーランド人男性の妻への愛の記録でもあり、戦争によって起こる人の心の醜さへの弾圧でもある作品。オールロケのこの映画はナショナルジオグラフィックの協賛もえている。

A Late Quartet

Directed by Yaron Ziberman (2012)

In New York, a world-renowned string quartet find their patriarch Peter is diagnosed with a terminal illness, the repercussions hit the group deeper than they could imagine. As their 25th anniversary performance looms, the four musicians must either find a way to overcome their troubles and preserve their legacy, or part ways forever.

邦題:25年目の弦楽四重奏

クラッシック音楽に詳しい人には又別の見方もあるかもしれないが、異文化理解の視点では、実に見事な調和を奏でる映画である。テーマ曲のベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第14番」は、晩年の視聴覚障害をもったベートーヴェンが作曲し、途切れること無く継続する7楽章は、演奏者にとっても難曲とされているそうだ。ニューヨークにある結成25周年を迎えたフーガ弦楽四重奏団のメンバー達が、長老メンバーのパーキンソン発病によるリタイヤー発言の衝動から、自分達の人生を見つめなおす。山や谷があっても支えあう人達と調和を保ちながら、休むことなく生きる人生に、テーマ曲が調和する。ニューヨークの多民族社会の中で、自分なりのカルチャーを見つけてゆく演奏者達の奏でる音楽は、鑑賞後も心地よく響いてくれる。

Cayman Went          

Directed by Bobby Sheeham(2008)

An American TV personality Josh Anders is sent to a tiny Caribbean island of Cayman Brac. by the idea of an ultra-wealthy, powerful and unethical resort developer. Josh Anders’ show is popular in the island, and most of islanders are his big fans except the eccentric and cranky retiree Mr. Bowman. Josh finds himself the key player in a land grab scheme targeting this picturesque island.

ジャマイカの近くに位置するケイマン諸島は、スキューバーダイビングの名所として古くから親しまれているほど、美しいカリビアン・ブルーの世界である。住民は、イギリス白人とアフリカ黒人の混血が半分を占め、まさに多人種共同体社会がそこにある。その島に広大な娯楽施設を作ろうとする会社が、島の人々に人気のあるテレビショーの米国人俳優を、土地の購入説得人として派遣する。ところが彼は水槽の中でのダイビングしか知らなかった。島の住民から素朴で温かな心を示され、心まで澄みきるような海底の世界に親しむうちに、米国人男優はすっかり島の住民になってしまう。とっても癒される映画。

The Tiger Woods Story

Directed by LeVar Burton (1998)

Autobiographical story of professional golfer Tiger Wood from his childhood until his success becoming an world class golfer. Thai-American boy, his mother from Thailand and his father from America, experiences of struggling between two different culture and two different countries. His father teaches him to play golf and his daily life is very different from other children. Once get title of new record holding golfer, he faces to another struggle between murderous honor of celebrity and losing freedom of his own life. As avoiding putting a racial label on himself, not only Thai and Black-American but Chinese, Native-American, Dutch are all in his family line.

幼い時から、父親からゴルフの手ほどきを受けて育った、タイガー・ウッズの自伝的映画。父母の出会いや、米国における差別的な扱いや、タイ国人である母親の影響で仏教の精神も受けていた事実も語られている。幼年期から青年期を、一般の子どもとは異なった生活環境にあったタイガー・ウッズが、プロ・ゴルフ界で様々な記録を打ちたて、世界から注目される人物となった喜びと個人の自由を失った荒立ちが交差する。タイガー・ウッズ自身には、黒人系は四分の一のみで、他にタイ人と中国系、ネイティブ・アメリカンやオランダ系の血統があり、映画でも人種的にレッテルを貼られることへのこだわりも描かれている。

The Station Agent

Directed by Thomas McCarthy (2003)

Fin with dwarfism loses his only friend who owns a train model shop and Fin works with him. Accepting his best friend’s will, Fin moves to an abandoned train depot in rural New Jersey. Without expecting, Fin makes new friends who have different cultural back grounds and their friendship attached each other.

小人症の青年フィンの唯一の友人は、黒人老人で列車の模型店の店主であった。鉄道マニアのフィンは、その店で働いていたが、店主が突然死してしまった。一人っきりになったフィンは、店主からの遺言で、田舎の使われていない駅舎に住むことになった。外見の違いから、いつも社会生活を拒否するようになっていたフィンに、陽気に振舞うラテン系の青年と白人中年女性が接近し、3人の間に不思議に安らぐ友情関係が育ってゆく。誰もが持っている心の傷、だからこそいたわり合う必要性をじんわりと伝えてくれる、静かな感動を与えてくれる印象深い映画。

Zindagi Na Milegi Dobara

Directed by Zoya Akhtar(2011)

Three single Indian men take a trip to Spain together before one of three’s wedding day. While enjoying their new experienced days in Spain, each of the three are awaken to face to oneself.  Bollywood flavor mixed up with flamenco dance and music gives us incredible attractions.

邦題:<人生は一度だけ>

3人の独身男性友達が、そのうちの1人の結婚前に、3人でスペインを旅行することになった。未体験の海底の世界や、スペインのローカル色豊かな祭り、南欧の太陽に恵まれた田舎を旅するうちに、一人ひとりが自分と向き合う大切さに気ずかされてゆく。フラメンコ演奏が、ボリウッド音楽や踊りと溶け合う場面は、なんとも痛快である。ボリウッド映画らしく長編ではあるが、異文化と接して各自が自分なりに目覚める過程が、やはりボリウッド映画らしく丁重に軽快に描かれている。仕事中毒から抜け出る若者役をHritik Roshan が演じ、この映画でも彼の幅の広い演技の実力を見せてくれる。

Grand Canyon

Directed by Lawrence Kasdan (1991)

When a lawyer’s car break down in a dangerous Los Angeles neighborhood, a tow-truck driver arrives just in time to save his life.  The two men begin a deep friendship that sets off a chain of unsettling and surprising events involving their families and friends.

邦題:わが街                                           緊張の渦巻く街ロスアンジェルスで、ある夜白人の弁護士が一人で車を運転中に、危険な地域に迷い込んでしまった。しかも、車がエンジントラブルで動かなくなった。危険を察する中、レッカー車を運転してきた黒人男性が、彼を救ってくれた。まるで階層も立場も異なるこの2人が、お互いの人生を語り合うようになり、黒人男性が自分の存在の小ささを悟ったグランドキャニオンへ、親友同士の家族揃って訪れる。人生の転機を迎えたそれぞれの人達が、絡み合いながらも、前に進もうと手を取り合う姿は清清しい。冒頭のロスアンジェルス夜景と、巻末のグランドキャニオンの岩肌が対照的であり、その間で様々なカルチャーが織り成す人間模様が展開し、正に異文化理解の実践を繰り広げてくれる。

Madame Sousatzka

Directed by John Schlesinga ( 1988 )

  Madame Sousatzka, a daughter of famous pianist, is a piano instructor who teaches how to play the piano in her London flat. One day she receives a fifteen years old Bengali boy as her new student. Starring: Shirley MacLaine

都市化がすすみ民族の多様化がすすむロンドンの庶民生活を背景に、かつての名ピアニストの娘として育ったピアノ教師を、Shirley MacLaineが好演している。弟子入りしたベンガル人の15歳の少年に、ピアノ演奏への情熱と異性への思いと母親としての愛情が重なり、往年のピアニストの哀愁も漂う映画。それはロンドンのある時代への別れにも重なるように、ピアノの旋律が耳に残る。時代も、年齢も、人種も超えた音楽の力を、意欲的に描いた作品である。

David and Kamal

Directed by Kikuo Kawasaki(2011)

Nine years old American Jewish boy and nine years old street urchin of Arab descent meet accidentally in the old city of Jerusalem. They are different characters with different cultural and economical back ground, but become good friends.

9歳のデビッドは、アメリカから父親のいるエルサレムへ一人でやって来た。父親はユダヤ人であるが、アメリカ人の母と離婚していた。一方パレスチナ人のカマルは、父親をなくし厳格な祖父に育てられているが、家族を養う為に稼ぐことに一生懸命であった。そんな2人が、エルサレムの街中で出会い、不良から追いかけられるうちに、友情が育まれてゆく。日本人の監督による意欲的な作品で、子ども心には国境も民族も変わりないことを、改めて教えてくれる素晴らしい映画。