The man who cried

Directed by Sally Potter (2000)

In 1927, a father always sings a song to his daughter in a small Jewish village, but he has to go to America for looking for a job. The little girl lives with her grandma, but their village is burned down by fire. She gets on the ship to England by herself, and an English couple raise her. The Jewish young lady joins the choir and stays in Paris where she meets an a mysterious stranger…..her lifelong story to meet her father in America.

1927年ロシアにあるユダヤ人の村に住む娘に、父親はいつも歌を歌っていた。生活苦から、父はアメリカに仕事を求めて行くことになり、娘を祖母に預けて村を発った。村は焼け、少女は一人混乱にまみれてイギリス行きの船に乗り、言葉がわからぬままイギリス人の夫婦に預けられる。そして大きくなると、コーラスガールの仕事を得てパリに住む。そこでジプシーの青年と恋仲になるが、フランスでもユダヤ人狩りが激しくなってゆく。父を探しにアメリカ行きの船に乗るが、魚雷を受けて沈没、、、と、歴史の流れに波乱万丈の人生が揺れ動く。子役のクローディア・ランダー=デュークが、あどけなくそして意志の強い、歌声の素晴らしい少女を好演している。

Lost in Translation        

Directed by Sofia Coppola(2003)

Two Americans meet in Tokyo; Bob is a movie star in town to shoot a whiskey commercial and Charlotte is a young woman tagging along with her workaholic photographer husband. Unable to sleep, they cross paths one night in the luxury hotel bar, and they venture through Tokyo together.

結婚生活に疑問を持ち出した中年のハリウッド俳優が、コマーシャル撮影の為東京にやって来た。そして、若い人妻に同じ宿泊ホテルで出会った。カメラマンの若い夫は、妻を言葉の解らぬ国のホテルに残したまま、仕事に夢中になっている。言葉も通じず、文化も解らない、東京の雑踏の中で、孤独を噛みしめている2人は、言葉を交わし一緒に行動するようになる。コメディーでも、軽快にカラカラ笑える映画ではない。異文化圏に置いた自分の不安と、自分の本心を見ようとする心の葛藤は、視点を変えれば滑稽でもあるのだろう。その演出効果を上げる為、英語版では日本語を訳した英語の字幕は一切ない。2004年度のアカデミィー賞の脚本賞を受賞した作品。

2 days in New York

Directed by Julie Delpy(2012)

Hip talk-radio host and journalist Mingus and his French photographer girlfriend Marion live cozily in New York apartment with their cat and two young children from previous relationships. But when Marion’s family from France visit and stay with them, it initiates two unforgettable days of family mayhem.

邦題:ニューヨーク、恋人たちの2日間  

5年前に制作した、「パリ、恋人たちの2日間」の続編であり、今度の相手は黒人コメディアンでもあるCris Rockが演じている。舞台はニューヨークとなり、パリから彼女の家族がNYに訪ねて来て、ニューヨークのアパートに同居する2日間。Delpy女史は、今回も主演も監督もこなし、他の才能も発揮して、テンポの良い大人のジョークを散りばめた映画に仕上げた。パリの素顔を披露したら、ニューヨークの素顔も披露しなくては、、、、との心意気が感じられる。フランスもアメリカも祖国に持つ彼女自身のカルチャーの深さが、笑いながらも髄所ににじみ出ている作品。このシリーズの2作品を共に鑑賞して異文化比較するのも、興味深い。

2 days in Paris

Directed by Julie Delpy(2007)

A New York couple, French photographer Marion and American interior designer Jack, attempt to re-infuse their relationship with romance on a European vacation. Their days in Venice did not work out as planned, therefore they have higher hopes for their last 2 days in Paris.

邦題:パリ、恋人たちの2日間

政治的、人種的にもステレオタイプの言葉がちらほらするし、大人の会話が早いテンポで繰り広げられる。ニューヨークに住む米国男性と2年前にNYに移ったフランス人女性のカップルが、ベニスでの休日の後NYに帰る前に、パリに住む彼女の実家のアパートに滞在する2日間。仏語が全くわからない彼に、2ヶ国語の言葉も文化も素早く操る彼女。フランスとアメリカの異文化のギャップが、軽快に描かれているし、現代パリの素顔も充分に堪能できる。監督のJulie Delpyは、パリ生まれで、両親を俳優に持ち、5歳の時から舞台に立ち、15歳でスクリーンデビューし、2001年には米国市民となり、この映画では主演の他に脚本、制作、編集、音楽も手がけた多彩なる才能を発揮した。米仏文化比較も批判も、Delpy女史ならではの出来栄えである。

Woman on Top       

Directed by Fina Torres (2000)

After finding her husband’s cheating, a heartbroken beautiful Brazilian woman runs away to San Francisco, and she becomes a successful television chef.  In her new life, she is forced to choose between her macho ex-husband, her new fame and her lifelong battle with motion sickness, and her need to always to be on top. >>>>Spanish Actress, Penelope Cruz’s first American film.

スペイン人の女優、Penelope Cruz(ペネロペ・クルス)が25歳の時の映画で、ブラジル女性を演じている。まるでおとぎ話を語るような物語は、自分で運転する時以外動くものに乗ると気分が悪くなる美しい女性イザベラが主人公。イザベラは、抜群の料理の腕前。ブラジル男性と結婚したが、彼の浮気を知って、一人サンフランシスコへ行き、幸運にもテレビの料理番組に出演することになった。シンデレラ物語のようだが、しっかりと愛を追求した物語。ボサノバのリズムが全編に流れ、揺れ動く女心と男心、そして色彩鮮やかな小道具が軽快に演出されたコメディーは、笑いながら心を軽くしてくれる。

A Late Quartet

Directed by Yaron Ziberman (2012)

In New York, a world-renowned string quartet find their patriarch Peter is diagnosed with a terminal illness, the repercussions hit the group deeper than they could imagine. As their 25th anniversary performance looms, the four musicians must either find a way to overcome their troubles and preserve their legacy, or part ways forever.

邦題:25年目の弦楽四重奏

クラッシック音楽に詳しい人には又別の見方もあるかもしれないが、異文化理解の視点では、実に見事な調和を奏でる映画である。テーマ曲のベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第14番」は、晩年の視聴覚障害をもったベートーヴェンが作曲し、途切れること無く継続する7楽章は、演奏者にとっても難曲とされているそうだ。ニューヨークにある結成25周年を迎えたフーガ弦楽四重奏団のメンバー達が、長老メンバーのパーキンソン発病によるリタイヤー発言の衝動から、自分達の人生を見つめなおす。山や谷があっても支えあう人達と調和を保ちながら、休むことなく生きる人生に、テーマ曲が調和する。ニューヨークの多民族社会の中で、自分なりのカルチャーを見つけてゆく演奏者達の奏でる音楽は、鑑賞後も心地よく響いてくれる。

Cayman Went          

Directed by Bobby Sheeham(2008)

An American TV personality Josh Anders is sent to a tiny Caribbean island of Cayman Brac. by the idea of an ultra-wealthy, powerful and unethical resort developer. Josh Anders’ show is popular in the island, and most of islanders are his big fans except the eccentric and cranky retiree Mr. Bowman. Josh finds himself the key player in a land grab scheme targeting this picturesque island.

ジャマイカの近くに位置するケイマン諸島は、スキューバーダイビングの名所として古くから親しまれているほど、美しいカリビアン・ブルーの世界である。住民は、イギリス白人とアフリカ黒人の混血が半分を占め、まさに多人種共同体社会がそこにある。その島に広大な娯楽施設を作ろうとする会社が、島の人々に人気のあるテレビショーの米国人俳優を、土地の購入説得人として派遣する。ところが彼は水槽の中でのダイビングしか知らなかった。島の住民から素朴で温かな心を示され、心まで澄みきるような海底の世界に親しむうちに、米国人男優はすっかり島の住民になってしまう。とっても癒される映画。

The Bouquet

Directed by Anne Wheeler (2013)

For years, overachiever Terri and her idealistic sister Mandy have kept their distance from each other, as well as from their parents struggling florist business.  But when a tragic turn of events brings both sisters home, they discover just how much they need one another in order to continue their family legacy.

都会の人工的なカルチャーと、田舎の自然に満ちたカルチャー。周囲のことばかり気にしている古いカルチャーと、IT技術を活用した新しいカルチャー。同じ家族でありながら、家族間のコミュニケーションが欠如していたが、父親の死がきっかけとなって、それぞれのカルチャーが融合してゆく。融合の鍵は愛となっているが、ここでは思いやりと表現出来る「愛」が、不可能を可能に導いてゆく。ファミリー映画にカテゴリーされている解り易い内容の映画だが、カナダで撮影された自然が、溶け込みたいほど美しい。

A Play’s the Thing

By Aliki (Harper Collins Publisher –New York, NY in 2005)

Miss Brilliant is the lively teacher of multiethnic class and she celebrates everything. After test, she wants to celebrate with play and all her students prepare for that  with excitements except one student, Jose.  >>>  The parents of author, Aliki Brandenberg,  were originally from Greece and Aliki’s first language was Greek.  During her traveling in Europe, she met Mr. Brendenberg. Her first book is published in 1960, and she moved to New York with her Swiss husband.

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ブリリアント先生の生徒には、様々な人種や性格の生徒達がいる。クラスで劇の発表をする準備過程が描かれているが、マンガのように各自の言葉は吹き出しの中に書かれている。多彩で賑やかなクラスのまとまってゆく 様子が、実に微笑ましい。マンガを読む感覚のユニークな絵本。著者でイラストレーターのAliki女史は、1929年米国生まれであるが、両親はギリシャからの移民者。Aliki女史の夫はスイス人のBrandenberg氏であり、多くの児童図書を夫婦でも制作している。2人の子どもの母親でもある。

Time to pray

By Maha Addashi, Arabic Translation by Nuha Albitar, Illustrated by Ned Gannon (Boyds Mills Press –Honesdale, Pennsylvania in 2010)

Yasmin visits her grandmother in the Middle East. During experience of traditional daily life, Yasmin learns how and when to pray.  Yasmin’s grandmother makes her prayer clothes, and buys her player rug. Written in English-Arabic Text.

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イスラム教国に住む祖母を一人で訪ねた少女は、祖母を通じて祈りの伝統を学んでゆく。そして、帰国して持ち帰った品々には、祖母の愛情が込められた祈りの時に必要なものばかり、、、。祖母と孫娘の愛情が、伝統の重みに暖かさを与えてくれる。暖か味のあるイラストも効果を上げている。文字は英語とアラビア語で書かれている。宗教に関係なくとも、イスラム教の祈りの伝統を学ぶのにも役立つ絵本である。