To Kill a Mockingbird

Directed by Robert Mulligan(1962)

Story telling through six years old girl’s eyes about her father who worked the case as black man’s lawyer, and who fought for prejudice and injustice in 1932 Alabama.  The same titled novel by Nell Harper Lee published in 1960, and made into the film. Starring: Gregory Peck

邦題:アラバマ物語

1960年に出版されたNelle Harper Lee 著の同名の小説の映画化。米国公立学校の推薦図書として筆頭に上げられている小説のひとつでもある。白黒映像の映画では、Gregory Peckが主役の白人弁護士役で、理想的父親像、社会正義感、博愛主義のこもった人物を演じて高評価を得た。ストーリーは、人種差別が歴然と存在していた時代にアラバマの町で起こった白人女性レイプの犯人として捕らえられた黒人男性を弁護する父親を、後年娘が語っている。母親を亡くし、兄といつも一緒の悪戯娘は、父親と同じく社会正義感が強かったが学校では腕力に訴えていた。暴力が嫌いな父親は、言葉と敏速なる判断力と行動で戦っていた。そんな父親を娘が理解するのには時間がかかった。映画の中での時間の流れはゆっくりではあるが、子どもの視点が丁重に語られている。

Black or White

Directed by Mike Binder(2014)

Left to raise his beloved bi-racial granddaughter, a grandfather faces the legal battle about his granddaughter’s custody against her grandmother who lives in another world in Los Angels.

アフリカ系アメリカ人の父をもつ孫娘の面倒を見ていた白人弁護士が、妻を交通事故で突然失った。娘も妻も亡くした彼はこの孫娘と二人きりになってしまい、慣れない手つきで孫娘の日常の世話を始めるが、寂しさをアルコールで紛らわすようになる。そこにドラッグに溺れた孫娘の父親が現われ、親権を法廷で争うことになる。ロスアンジェルスの上流白人住宅地と黒人が集合している低所得者住宅地を自由に行き来する孫娘に、まるでアメリカの未来を託しているようでもある。Kevin Costner 演じる白人弁護士が、判事、弁護士、家庭教師等の黒人達に囲まれながら発する言葉が、人種差別の根本問題を指摘している。米国における異文化理解も、こういう日常の中から一歩一歩前進している。

Cantinflas

Directed by Sebastian del Amo (2014)  Mexican Film

The untold story of Cantiflas(1911~1993), the beloved Mexican comedy film star and in 1956 moved to Hollywood to participate the film “Around the world in 80 days” (French Novel published in 1872). Biographical story of the most popular Mexican comedy film star of all time.

メキシコの偉大なるコメディアンで映画俳優のCantinflas/カンティンフラス(1911年~1993年)の伝記映画。彼の無名時代から映画[80日間世界一周]で世界的に名声を上げるまでを描いたメキシコ映画である。1872年に発表されたフランスの小説[80日間世界一周]を映画化しようと、ハリウッドのプロデューサーが白羽の矢を当てたのはメキシコの売れっ子コメディアンで、時代は1956年。彼との出演交渉の合間に、カンティンフラスの人生物語が挿入されている。20世紀半ばのハリウッドの様子や有名俳優達のさりげない様子も垣間見られるが、メキシコ民衆の社会の底辺を支える力強さがこの映画から伝わり、民衆に愛されたカンティンフラスを称えている映画でもある。

Chocolate

Directed by Lasse Hallström (2000)

Original story is from Joanne Harris’s novel Chocolate. A vagabond-spirit mother and her daughter come to a small old town in France to open a chocolate shop named Maya. The mother’s favorite fairly-tale is about her grandfather who came back from Central America with a beautiful girl and his experience of Ancient Maya’s drink.

邦題:ショコラ

フランスの保守的な小さな町に、赤いマントを着た母と娘が、北風の中をやって来た。その母と娘はこの町に落ち着こうと、母親はマヤと呼ぶチョコレート店を開店した。母が御伽噺のように聞かせる娘が大好きな祖父の物語では、薬の研究の為に祖父は中南米に出かけ、そこで古代マヤからの不思議な飲み物カカオに魅せられ、恋した村の娘を欧州に連れて帰り娘が生まれたが、突如母と娘がいなくなった。どうやらその娘が自分の母親であり、祖母と同じ放浪癖がある母を娘は嫌い始めていた。波風の後に保守的な町の人達とも次第に心のしこりがとれ、春風の到来と共にこの町が母娘にも安住の地となってゆく。異質性を受け入れる明暗が、見事に描かれている。母親役をJuliette Binocheが熱演し、ジプシー役のJonny Deppも流浪の人として出現する。

The Physician

Directed by Philipp Stölzl (2013)    German Film

Based on Noah Gordon’s best selling novel “The Physician”. Nine years old English boy Rob in mining town lost his mother by mysterious illness, and he decides to learn about medical treatment. Spending 2 years to travel to Persia, grew-up Rob becomes a student of Ibn Sina/Avicenna (980~1037) who is the most significant thinker and writer in 11th century Arabic world, and Rob willingly learns about medical technique.

アメリカ人元医療ジャーナリスであるNoah Gordon(ノア・ゴードン)原作の小説をドイツ人監督が映画化したドイツ映画。舞台は11世紀の英国で母の病死から弧児となった9歳のロブ少年が、死を身近にしたことから医療への情念に目覚め、医療の近代知識が学べれるペルシャへ2年の歳月をかけて旅立った。キリスト教徒では危険が伴う為に、少年はユダヤ教徒になりすましてイスファハーンのイブン・スィーナー(哲学、医学、科学に長けたペルシャを代表する知識人)の弟子となり波乱万丈の体験をしながら勉学に励んだ。史実を絡ませながらの壮大なる医学の歴史映画ではあるが、異なる宗教に固守する人間集団と“人間と言う共通の人体の真実”を探ろうとする対比が興味深く描かれている。なお原作小説の邦題は「千年医師物語」で三部から構成されており、この映画化されたのは第一部のみで小説邦題は[ペルシアの彼方へ](角川書店)。

Look at You! : A baby body book

By Kathy Henderson, Illustrated by Paul Howard (Candlewick Press – 2006) Amazing development of many kinds abilities on the early stage of children as showing racial diversity babies with rhythmical words.

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赤ちゃんが身体で色々なことを覚えてゆく過程が、詩のようなリズミカルな言葉で表現されている。様々な人種の赤ちゃんが描かれ、赤ちゃんの生き生きとした表情がとっても愛らしい。人類共通の人間の成長過程を再現しながら、ほのぼのとした人類愛が子どもにも大人にも伝わってくる素晴らしい絵本。

By Day, By Night

By Amy Gibson, Illustrated by Meilo So                                                                      (Boyds Mills Press on Imprinted of Highlights – 2014)                                           Following to daily lives of children in the different place on the earth. Comparing their differences, and still being able to learn harmonized joy each other.

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朝の目覚めから夜の眠りにつくまでの子ども達の一日を、世界中の子ども達の日常を追いながら描いている。水彩画のような易しいタッチの絵が、短い英文とマッチして、幼児でもわかる内容。違いを比較しながらも、みんなが関りながらこの地球上で生きている様子を、暖かくやさしく語っている絵本。

The first drawing

By Mordicai Gerstein (Little, Brown and Company – 2013)                                             30 thousand years old cave painting was discovered in 1994 South France and footprints of eight years child were near by. This news inspired the author to tell imaginable story of a boy who successfully communicate with others by drawing images on the cave.

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1994年に南仏の洞窟で発見された、3万年前に描かれた壁画と側にあった8歳児の足跡から作者がイメージを膨らませて出来た絵本。雲や石や影の形から見える動物達のことを、大人達に伝えようとするが少年の言葉では伝わらず、その少年が洞窟の壁に絵を描いたことによって絵の威力が発揮されたと言う物語。時空を超えた話しに、大人でも引き込まれてしまう。

1,000 Times Good Night

Directed by Erik Poppe (2013)

Rebecca is one of the world top war photojournalists and she has a husband and 2 daughters in her peaceful home town.  Telling Rebecca’s struggles between her family love and her risky professionalism in conflict zone. Norwegian director, Erik Popper, is a former photojournalist who had similar experience with Rebecca. >>>Starring: Juliette Binoche

世界の紛争地へ出かけてゆく報道写真家を母に持った娘達と、その写真家の夫の苦悩を描いている映画ではあるが、子育てに父親が深く関るようになってきた今日、守るだけの母の愛情のあり方にも疑問を投げかけてくる。自爆テロの現場でかろうじて命を救われた主人公をフランス人女優のJuliette Binocheが熱演している。ノルウェー人の監督自身がかつて報道写真家であり社会正義感への使命と家族愛との板ばさみで苦しむ体験をしているが、主人公を女性にすることで自分の苦悩も客観視出来たのかもしれない。残酷なシーンもあるが、詩のように静かで美しいシーンは言葉を使う以上に心理表現描写に成功している。

The way back

Directed by Peter Weir (2010)

Incredible survival story of prisoners who escaped from Siberian gulag in 1941, and traveled over 4,000 miles on foot to get their freedom. Crossing the continent under different climate, unknown geographical feature and unfamiliar racial culture, and  finally 3 men could success to cross over the Himalayas to the green highland in India.

邦題:ウェイバック 脱出6500km

第二次世界大戦当時、シベリアの強制収容所から逃げ出した男達六人と、途中から加わった集団農場から逃げ出した一人の少女によるサバイバル映画ではあるが、そのスケールが凄い。シベリア、モンゴル、中国、チベット、インドへと徒歩で進むのだが厳寒のシベリア、灼熱の砂漠、雪に覆われたヒマラヤ越えと、大自然の過酷さに挑戦する人間の限界を試されているようだ。途中で、一人は祖国に留まり、少女と一人の男性が息を引き取り、一人はチベットに残り、結局三人の男性がインドの緑に覆われた茶畑にたどり着く。導入部で妻の告白ゆえにシベリアに送られたポーランド人男性の妻への愛の記録でもあり、戦争によって起こる人の心の醜さへの弾圧でもある作品。オールロケのこの映画はナショナルジオグラフィックの協賛もえている。