The Cut

Directed by Fatih Akin (2014)                                                                                        Armenian father’s journey through the Ottoman Empire after surviving genocide in 1915.  He was looking for his family and traveled to America via Cuba.

邦題 : 消えた声が、その名を呼ぶ

時代は1915年、オスマン帝国の崩壊と共に多民族・多宗教を擁護していた国家が、大混乱を起こす。イスラム教の威力増大により、キリスト教徒であったアルメニア人たちへの迫害が始まった。家族と引き離されて九死に一生を得たアルメニア人の父親が、声を失いながらも、双子の娘が生きていると言う情報を頼りに、ヨルダンからキューバ、アメリカへと娘を捜し回る。飛行機のまだ普及してない時代にその距離は膨大であり、100前の世界はまだまだ文明化のテンポが加速していなかったが、それ故に現代に共通する親子の絆の強さに胸打たれる。The Edge of Heaven と同じドイツ人監督 Fatih Akinは、この作品でも複数の国の映画祭で賞賛を受けた。地球各地でロケをし、7年の時間を費やして制作した映画には、人種・国籍を超えて関った多くの人達の人間賛歌の結晶が眩い。

The Bucket List

Directed by Rob Reiner (2007)                                                                                    Story about two different men who shared a room at the hospital, and then shared the rest of their lives together.

邦題 : 最高の人生の見つけ方

全く異なる人生を歩んできた2人の初老の男性が、入院中に同室となり、同じように余命6ヵ月の宣告を受けた。そして、生きている内にやりたいことのリストを作り、2人で実行に移してゆくうちに互いに大事なものを見つけ出す。癌に病みながら深刻になりがちなテーマを、面白おかしく着色してある。4度も結婚歴のある白人大富豪家をJack Nicholsonが、45年間も家族の為に仕事一筋に働いてきた黒人自動車修理工をMorgan Freemanが、夫々の俳優の個性をそのまま発揮したごとくに見事に演じている。男性の視点からの人生観にも色々あるが、異なるカルチャー(生き方、考え方)超えた、ほのぼのとした暖かさを伝えてくれる。

The Railway Man

Directed by Jonathan Teplitzky (2013)                                                                         Former army officer who sets out the mission of revenge to confront the man who tormented him while he was a prisoner at Japanese labor camp during World War II.

邦題:レイルウェイ 運命の旅路

第二次世界大戦中にタイとビルマの間に計画された泰緬鉄道建設に従事させられた、英国人捕虜と日本人通訳者との和解をテーマとしたEric Lomaxの自伝の映画化。英国人捕虜達が日本兵の目を盗みラジオを作ったのが、見つかってしまった。主犯は自分だと名乗り出たエリックは、スパイの疑いをかけられ、拷問攻めになる。受信だけのラジオで、何も発信していないと説明しても聞いてもらえなかった。その時の苦しみが、戦後50年経ってもトラウマとなって消えなかった。そんな夫を妻は辛抱強く、ひたむきな愛情で支える。いつの時代でも、戦争は前線だけではなく、多くの人を巻き込み、各自の苦しみを癒す為には膨大な時間が必要となる。そんな戦争の惨さを、異なる戦争感を超えて見事に訴えている。

How to make a Cherry Pie and see the U.S.A.

By Marjorie Piceman (Alfred A. Knopf – 2008)                                                               A young baker and her dog travel the United States to collect items which they need to bake cherry pies.

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米国の独立記念日にチェリーパイを作ろうとするが、材料は揃ったが料理の用具がない。その用具を買いに行ったが、お店は休み。そこで用具作りをする為に、アメリカ中を巡りながら材料を集めた。少女と共にアメリカの各州を巡り、それぞれの地理や産業を楽しく学べれる絵本。多民族社会の米国らしく、様々な人と出会いすれ違い、正に米国紹介の絵本でもある。チェリーパイの作り方も紹介されているし、50州の名前入りイラスト地図も描かれているので、親子でも活用できる。

Ring! Yo?

By Chris Raschka (Dorling Kindersley Publishing, Inc. – 2000)                          Telephone conversation between 2 friends. “Yo!Yes?” is also Chris Raschka’s book.

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多くの話題を巻き起こした“Yo! Yes?”と同じ作者でありイラストレーターである。親しみのある彼独特のイラストは、ほとんどのページが同じ男の子一人が電話で話をしていて、聞こえる言葉だけが書かれている。読者は、電話の内容が解らないもどかしさを抱かされるが、それが作者クリスの演出でもある。巻末には、相手側の顔と電話会話の内容例が出てきて、上手に言葉を交わしている。他の会話内容を作り出すゲームとしても活用できそうな絵本である。

19 Girls and Me

By Darcy Pattison, Illustrated by Steven Salerno (Philomel Books – 2006)             John Hercules Po is only boy in his Kindergarten class and there are 19  girls in the class.

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ヘラクレスと言う強そうな苗字のジョンが幼稚園に入園したら、何と彼のクラスには19人の女の子がいた。ジョン・ヘラクレスは、クラスでたった一人の男の子であった。2学年生の兄はジョンが女の子達に影響されて女々しくなると言ったが、ジョンは彼女達をタウンボーイ(活発で勇ましい)にしてやると宣言した。毎日教室の外に出る度に、ジョンはクラスメート達を彼の空想の世界に引き込んだが、彼女達はその世界を思い切り満喫した。そして最後には、2学年生達も仲間入りすることになる。ユニークな視点から、子どもらしい発想を加えて、クラスの友情を語っている大変楽しい絵本。

Picture a Tree

By Barbara Reid  (Albert Whitman & Company – 2011)                                             With beautiful Plasticine Illustration, showing the relations between trees and people.

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プラスチックの素材から斬新に描いた明るく暖か味のあるイラストが、大変印象的な絵本。テーマは題名そのもの樹木と人との関りを語っているが、登場人物には 極自然に多種多様な人物がいる。人類共通の友である樹木への作者の愛情が溢れている。英文は明瞭で短いが、イラストが多くを語っているので、正に絵本を見ることを楽しめれる。こういう絵本を側に置くことで、多人種共存の生活環境を築いてゆくのに役立つに違いない。

Mommy Far, Mommy Near : An Adoption Story 

By Carol Antoinette Peacock, Illustrated by Shawn Costello Brownell                       (Albert Whitman & Company – 2000)                                                                      Young Elizabeth has 2 mothers, one in China and the other in America. American mother tells Elizabeth how both mothers love her.

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中国で一人っ子政策を実施していた時代、男性が家を継ぐ伝統的な理由から、新生児には男子を望む家庭が多かった。他の理由もそれぞれに存在するだろうが、中国で生まれた女の新生児達の多数が、子どもを欲しがる米国の夫婦の養子となった。そんな時代背景の中から生まれた絵本である。国際養子縁組で米国で育つ少女の揺れ動く思いが見事に語られ、それを受け止める母親の優しさが暖かく、そして力強く伝わってくる。こうして育った20年後の彼女達が、米国国内で又米国から世界に向けて発信しながら、異文化理解の実践者となってくれることを期待したい。

My Teacher

By James Ransome  (Dial Books for young readers – 2012)                                      A girl’s white haired teacher has long teaching career and she was a teacher of her mother and her grandmother.

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白髪の女性教師は、母親も祖母も教わったことがある程、同じ学校で教えていた。主人公の少女は、何故そんなに長く教師をしているのだろうと、子ども心で色々と想像する。多民族の生徒たちがいる教室の日常を語り描きながら、少女は教師を観察している。地域社会に密着して長い時間をかけて築き上げた教師の教育魂が、暖かく子ども達にも読者にも伝わってくる。難しい言葉を使った教育論よりも、親しみ易いイラストで教室の日常を描いたこの絵本は、教育の大切さを子ども達に伝えるのに大きな成果を果たしている。

When Lightning Comes in a Jar

By Patricia Polacco  (Philomel Books – 2002)                                                            With the excitement of family reunion, their grandmother shows how to catch “Lightning” in a jar.

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親戚一同が集る家族のリユニオンの日がやってきた。野球をしたりクリケットをしたり古い家族アルバムを見たり、、、、恒例のイベントが色々とあった。でもその年、叔母の一人が幼い時に楽しんだガラス瓶に光を集めることを教えてくれた。子ども達は何が起こるのかと、好奇心を膨らませた。作者パトリシアの2人の成長した子ども達に、家族の絆の暖かさを伝える為の絵本でもある。パトリシアらしいイラストも大いに楽しめれる。当サイトのコレクションにもパトリシアの絵本は複数で集録されているが、彼女の絵本を紹介しているパトリシアのサイトはこちら