Beautiful Moon, A Child’s Prayer

By Tonya Bolden, Illustrated by Eric Velasquez                                                                    (Abrams Books for young readers – 2014)

As the moon makes its way across the night sky, a young boy offers a simple player for the homeless, the hungry and others.

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寝る前の祈りを忘れた男の子が、ベットから起き出して窓辺でひざまずいた。夜空には美しい月が輝いていた。男の子は頭をたれ、祈りを捧げた。同じ月を見ているであろうホームレスの女性に、兵士の娘を戦場に送り出した電車に乗っているビジネスマンには早く戦争が終わるようにと。病院の老人に、食べるものが無くお腹をすかしている人達の為に。そして家族やペットや学校の先生の為に。祈ることの尊さが、同じ月のもとに暮らす人々みんなを暖かく包んでくれる。

One Leaf of Rides the Wind

By Celeste Davidson Mannis, Illustrated by Susan Kathleen Hartung  (VIKING – 2002)

This is a counting book with enjoyment of Japanese Garden and Haiku Poems.

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Counting in a Japanese Gardenとのサブタイトルが付いているように、日本の神社にある庭園で、俳句を詠いながらページ毎に数を数えている大変にユニークな絵本。見開きのページ毎に、左側には着物を着た少女が数を数えているイラスト、そして右側には英語の俳句が書かれ、下のほうには丁寧にその俳句の英文説明も付いている。巻末には、日本庭園と俳句の説明もある。日本の伝統文化に関心のある人へ贈りたい絵本である。

Leaving for America

By Roslyn Bresnick-Perry, Illustrated by Mira Reisberg (Children’s Book Press–1992)

In 1920’s, seven years old girl prepares for leaving from her small Jewish town in Western Russia. She and her mother are exciting to join her father who immigrated in America, but she feels loneliness to miss her relatives and culture.  This is recalled story of the author.

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ロシアにあるユダヤ人が住む小さな村から、母親と共にアメリカへ渡った少女の思い出絵本。時代は1920年代で、父親は既にアメリカに移っていた。この絵本は、作者Roslynの体験に基ずき、村に住む祖父母や親戚、知人達との別れは、当時7歳だった少女にとって大変大きな出来事であった。とりわけ幼馴染の従兄弟が、ホロコーストで亡くなった後は、家族の温もりを育んだ故郷への望郷の念は強くなったようだ。イラストレーターは、オーストリアに住むユダヤ女性で、彼女の母親はホロコーストの悲劇から逃れた生存者。

Fish for the Grand Lady

he By Colin Bootman (Holiday House, Inc.–2006)

In the early island’s morning, two brothers in Trinidad go to catch fish for their grandmother to cook for dinner. This is a recalled story of the author who was inspired by the island rich and diverse culture during his young ages.

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カリブ海南部にあるトリニダード島に住む兄弟が、朝の明けぬ暗い時間に川に魚釣りに出かけた。夕食用に祖母に魚を料理してもらう為に、どうしても魚を獲る必要があった。途中通った青空市での、中国人商人との何気ない会話からも、ほのぼのとした島の多文化が垣間見られる。なかなか魚が釣れずに失望しかかった兄弟は、思いがけないことに魚を獲た。祖母や兄弟同士の家族愛が、ゆったりとした島の時間と共に漂ってくる。作者兼イラストレーターのColin自身が、トリニダード島出身であり、巻末には現地言葉の説明もある。

The Yellow Tutu

By Kirsten Bramsen, Illustrated by Carin Bramsen (Dragonfly Books – 2009)

Margo is excited about her birthday gift. It’s a yellow tutu, and she cannot stop her imagination to expand. Many kids laugh at her enjoyment of yellow tutu usage and make her tears come, except Pearl who has a pink tutu and joins Margo’s imagination game.

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誕生日のプレゼントに黄色いトゥトゥをもらった嬉しさから、それを帽子のように頭に被って学校へ出かけた。ところが学校では皆から笑われた。だだ一人、彼女のイマジネーションごっこに付き合う女の子がいた。その子は、自分でもピンク色のトゥトゥを持っていた。トゥトゥの柔らかさと子ども達の豊かな表情が、実に見事に描かれている素晴らしい絵本。ページを開けるワクワク感を味わえる。2人の少女は異人種なのだが、各々の特徴も優しく暖かく描かれている。

I am Mixed

By Garcelle Beauvais & Sebastian A. Jones, Illustrated by James C. Webster                   (Stranger Kids – 2012)

Twin children in the interracial couple’s family tell their daily life how to discover the best of two different world from Mam and Dad, and enjoy to built their diversity family.

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異人種の両親を持つ双子の兄妹が、混血であるが故に個性ある自分を誇りに思う。日常的に子ども達が接する情景の中で、父と母の個性を受け継ぐ子どものたくましさが素晴らしい。再生紙を使用している為、色彩は華やかではないが、子ども達の生き生きとした表情から明るさと暖かさが溢れる。巻末には自分のことを記録するページもあり、混血の子について親子で議論する提案もされていて、制作者達の熱い思いが伝わってくる。

Lee Daniels’ The Butler

Directed by Lee Daniels (2013)

Story of a White House Butler who served Eight American Presidents over three decades during the country history from the Civil Rights Movement to Vietnam War and beyond, and of how the historical events affected his own life and family.

邦題:大統領の執事の涙

ホワイト・ハウスで、アイゼンハワー大統領から7代目のレーガン大統領まで、30年間以上仕えた黒人執事の実話に基ずく自伝映画。白人農場主から父を目の前で殺された少年は、白人を給仕するハウス二ガーとして特訓を受け、やがて高級ホテルの給仕として頭角を現す。そしてホワイトハウスの執事の仕事に恵まれた。見ざる聞かざるの空気のような存在で執事の仕事だけに専念する彼は、歴代大統領からの信頼を得られたものの、ホワイトハウスの片隅でアメリカの歴史に個人的にも飲み込まれながらも生きてきた。そんな父に反発し公民権運動にのめり込んでゆく息子との愛情物語でもある。歴史を刻んでいるのは、私達一人一人の心の葛藤の証なのだろう。オバマ大統領と同様に、涙なしでは鑑賞できない映画である。

Gifted Hands: The Ben Carson Story

Directed by Thomas Carter (2009)

Based on the true story of a brain surgeon who becomes one of the world’s leading neurosurgeons. Telling about his mother’s encouragement to study in his young age, and describing about his historical surgery to separate conjoined twins in 1987.

米国ジョンホプキンス病院の小児神経外科医として、世界に名が知られたベン・カルソン医師の自伝Gifted Handsのテレビ映画化。母子家庭で兄と3人で暮らしながらも、自分が読み書きが出来なかった母親は、人種差別に負けることなく息子達に学問を奨励した。テレビを見るよりも図書館通いが多くなり知識を身に付ける楽しさに目覚めていったベンは、イエール大学で神経外科医になる意志を固めた。大学生以降のベン・カルソン役を、Cuba Gooding Jr.が熱演している。特に1987年に行われたドイツ人の両親を持つ後頭部が繋がった結合双生児の分離手術は、70人の同僚と22時間にも及び、かなり詳細にその偉業が描かれている。医学技術のイノベーションにも、神技とも言える意志が働いてこそ成功すると、原作者の著書のタイトルからも読み取れる。